特殊処理精製木酢酸粉末入り配合飼料「ハマチ・ブリ仕上げ用EP」により養殖ブリの品質向上に成果を上げています。

木酢酸の用途は、水蓄産物の肉質改善剤、脱臭剤、農作物栽培用途、医薬原料等さまざまな用途に使用されています。

特殊処理精製木酢酸粉末とは、南国常緑広葉樹の樹皮を熱処理し、抽出精製された約280種の有機物を含む木酢液を炭素粉末に吸着させた植物原料の粉末であり、「仕上げ用EP」に混ぜ、魚に与えます。

このことにより、

@ 過剰な脂肪分が抑えられ、身の締りが良い。
A 鮮度保持効果がある。
B ドリップが少ない。
C 血合い肉の変色が抑えられる。
D 不快な魚臭さが少ない。

という評価が得られています。


また、魚類養殖に改善効果を及ぼす仕組みは、次のことが考えられます。

@    魚肉の臭みをとる

常緑広葉樹の樹皮を炭にすることで、多孔質になり表面積が増加します。魚肉の臭みは、消化管内での消化吸収の祭に発生した臭気物質が腸管より吸収されたものが影響しており、それらが炭に吸着排泄され魚肉の臭みが抑制されます。

A    刺身の保存期間が長くなる

筋肉の色褪色は、魚肉中に含まれるミオグロビン(赤紫色)が酸化され、メトミオグロビン(褐色)に変化するために起こります。特殊木酢酸粉末給与により給与魚の筋肉組織(細胞膜)が、強化されることにより、酸化が抑制されます。

B    栄養代謝改善効果

木酢酸に含まれる有機酸類等の働きにより栄養成分の生体内代謝に関わるTCA(クエン酸)回路が活性化されます。

C    漁場改善効果

 特殊木酢酸粉末給与魚より排泄された炭がバクテリアの住みかとなり、バクテリアが有機物を分解し、漁場環境を浄化します。


以上のことにより、養殖ブリの品質向上に効果をあげていることが考えられます。