タイトル写真提供 : 斉藤 高根氏

旬は田植えが終わる頃
孫がいるため「おじいさん」ことの中村勝さん
 佐渡汽船新潟ターミナルからジェットフォイルに乗ると、佐渡の両津港までたったの60分。久しぶりの佐渡は、ずいぶんと近くなっていました。両津からバス約1時間10分の相川で乗り換え、大浦西バス停までおよそ15分。民宿「たきもと」(рO259・74・3103)はバス停から徒歩2分、日本海を見下ろす格好の地に建っていました。
「たきもと」の家族から「おじいさん」と呼ばれる中村勝さんは、西浦漁協所属の漁師で、いわば民宿の食材仕入れ担当者。年間にわたって刺し網をかけて、メバルやヒラメ、マダイを狙い、3〜4月はヤリイカ、
頭状部と肉柄の殻をむくと、薄紫色の小さな身が
9月はスミイカを多く漁獲するそうです。冬は主にサザエ網でサザエやアワビを網で獲ります。そんな中村さんにカメノテ漁の取材をお願いしました。
「カメノテ漁といってもなあ、ここらではレジャーみたいなもんだ。どこのうちも5月から6月に田植えが終わると、磯に獲りに行くんだよ。その頃が1年中でもっとも身が肥えているからね」
 そう言って、中村さんは翌朝のカメノテ漁の取材を気持ちよく同意してくれました。

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旬は田植えが終わる頃
3〜4センチの節足動物
大漁に大喜び
ほかに類のない美味

取材:野村祐三