美味な磯魚が大漁!

網にからまった魚が次々に姿を見せる
刺し網で獲れたカサゴ
 翌朝、まだ暗いうちに出漁し、昨夕網を仕掛けたポイントに到着。それまで穏やかだった森下さんの表情がぐっと引き締まり、宿の主人から漁師の顔つきへ。巻き上げ機で網を慎重に上げていきますと、魚が網にからまりながら姿を見せました。マメバチ、クロダイ、コングリ(ウマズラハギ)、アカメフグ、イシダイ、シマウシノシタ、アカハタなど、魚屋ではめったに見られない稀少な種類も少なくありません。「魚がこまいな」と森下さんは浮かぬ顔でしたが、ぼくは魚種の多さに大喜びです。
 およそ1時間で網上げを終了。刺し網漁法は水揚げ後が大変です。網にからまった魚を取り外す作業が一苦労なのです。船だまりでは、森下さんの母親のすみさん(86歳!)をはじめ、一家総出の作業が始まりました。ぼくも魚はずしの手伝いを買ってでたのですが、1尾はずすのにずいぶんと時間をかけてしまい、みんなは呆れ顔でした。
 望海幸楽では「漁業に親しんでもらいたい」という森下さんの考えから、体験漁業を行っています。宿の泊まり客は、刺し網漁が1船1万円、定置網漁が1船1万5000円。どちらの体験でも、漁獲した魚をすべて分けてもらえます。ぼくは刺し網漁の体験で、この日の魚をそっくりいただきました。
網にからまったまま魚を水揚げ
家族総出で網から魚をはずす
生きたまま漁獲されたカサゴ

 


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CONTENT
怪異だが味は一流
前日に網を仕掛ける
美味な磯魚が大漁!
カサゴ酒を飲みながら

網からカサゴをはずすのはとてもやっかいだ
森下すみさんは魚はずしの手が早い