----- 地域の伝統を守りながら新事業を開拓(P2)-----
福井県・丹生漁協

湾内には養殖・釣り筏・海洋牧場が
 
養殖生簀
谷口芳哉課長が漁協の船で湾内を案内してくれた。湾の奥まった場所に42基の円形・角形の養殖生簀があり主にトラフグの養殖が行われているが、既に出荷が終わった時期だったので小型のフグが少し泳いでいるだけだった。谷口さんによると、「生簀の水深は10mで、6月頃に近畿大学富山事業所等から稚魚を搬入、翌年11〜12月、あるいは1〜2月にかけ、1尾800g〜1sで出荷する」そうだ。平成15年のトラフグの水揚げは19.8d・4,585万円だった。
谷口さん

 そこから少し離れた場所には利用事業として平成7年に開始された『釣り筏事業』の筏が13基ある。1基に5人乗れるそうで漁協の船で釣り客を運ぶ。秋の利用客が最も多く、クロダイ釣りを目当てに多い日には50人が訪れ釣りを楽しむらしい。
 漁協事務所に近い場所には平成3年から開設された『海洋牧場』があり、中間育成生簀や音響給餌ブイが設置されている。毎年、小浜にある県の栽培漁業センターで産卵・ふ化させたマダイの稚魚20万尾を中間育成生簀に入れた後、音響馴致で給餌し約1カ月半後に放流する。給餌ブイの上ではちょうど県の職員が作業中だったのであまり近寄れなかった。
 その後、湾を仕切るように架かる“丹生大橋”―これは関西電力関係の人しか渡れない―の下をくぐり湾外に出た。谷口さんが「あそこが温排水の出る所です。発電所ができる前の子供の頃はサツマイモやスイカの畑でした。温排水が出るようになってからは湾内の水が流れるようになり魚の養殖ができるようになったんです」と説明してくれたが反面、「潮が動き出してナマコがいなくなった」と言う。
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