※現在、与論島では年間を通じてシラヒゲウニは禁漁となっております。


与論献奉の夜

 

シラヒゲウニの殻付き刺身
シラヒゲウニのうに丼。美味なり
ミンジキの味噌和え
パナダイの酢の物

 与論島には、与論献奉という焼酎を飲むときの儀式があります。相手に自分のことを知ってもらうため、一杯の杯を順番に持ち、その杯を持つ人だけが自己紹介などを発言できるのです。潮干狩りの夜、星砂荘で与論献奉を体験しました。

 参加者は永井さんとぼくの二人。まずは永井さんが黒糖焼酎を並々と注いだ杯を持ち、「島の人は昔から別名を持っています。男ならマサ、ジャーなど、女ではナビ、ハナ、ウトウなどの名があります。私はハニと申しまして…」。次は杯を持ったぼくの番。そうやって杯を重ねて話し合い、与論島の夜は愉快に過ぎていった のでした。

 与論献奉で飲んだのは、与論島唯一の黒糖焼酎メーカー・有村酒造の「有泉」。原料が米1に黒糖2の割合の本格派。昔から伝わる蒸圧蒸蒸留法で仕込むため、黒糖の風味をより深く楽しめます。肴は先ほど永井さんが獲ったばかりのシラヒゲウニの殻付き刺身とミンジキの味噌和え、パナダイの酢の物。

 シラヒゲウニはいかにも南方のウニらしく、果実のような甘味があり、とろーとした舌ざわり。珍味中の珍味です。ミンジキは砂ナマコの名があり、茶色の皮と真っ白い身がナマコらしくなく、南国の風味があります。パナダイは半透明の身で 、形があるようなないような、まるでヨーグルトのようです。味はナマコというより海草のようでした。

 酒好き、磯もの好きには、こたえられない与論島の夜でした。


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