ウニむき作業

 獲ったあとのウニむきがひと仕事です。ある漁師宅で、その作業を見学させてもらいました。まず殻上部の口にうに割りと呼ぶ道具を差し込み、殻を縦二つに割ります。次に小さじで生殖巣を取りだし(私たちが食用にしているのは、ウニの生殖巣なのです)、汲みおいた海水の中へ。ある程度ウニがたまったところで、細かい目の金網にのせ、海水にひたしながら、混ざっているハラワタや殻の破片などを取り除きます。見ているだけでも、根気を必要とするのがよくわかりました。

獲りたてのムラサキウニとうに割り おしゃべりしながらウニむき作業 殻を割り卵巣を取り出す
殻から獲りだしたガゼの卵巣 こちらはムラサキウニの卵巣

 家族総出で作業を終えると、ただちに旅館や加工所へ持ち込みます。ウニは鮮度がポイント。壱岐島のウニがおいしいわけは、こうした迅速性にもあると見ました。

 大久保さんが殻を割ったばかりのムラサキウニと、勝本名産のケンサキイカの刺身を混ぜ合わせた「いかうに和え」を作ってくれました。市販の生ウニは明礬水で保存性を高めているけれど、目の前にあるのは純粋無垢。自然の風味たっぷりのウニと、こりこり感のケンサキイカの取り合わせがうれしく、たちまち一皿をぺろり。

翌朝、「みょうばんなし」のウニがセリにかけられた ウニとケンサキイカのいかうに和え

 


-3-
戻る 次へ