京・丹後の漁村(伊根町地区)

 【伊根町の漁業・漁村の概況】
 伊根町は、人口約3千1百人で、丹後半島の東側に位置しており、古くから漁業が栄え、漁獲量は京都府一を誇るとともに、舟屋群や浦島太郎・徐福などの伝説、温泉などの観光資源にも恵まれた町です。
 伊根町では、湾一帯に舟屋の建ち並ぶ伊根湾に伊根(いね)、徐福の祭られている新井に新井崎(にいざき)、温泉の湧き出る泊に朝妻(あさづま)、浦島太郎の祭られている本庄に本庄浦(ほんじょううら)、リアス式のカマヤ海岸を有する蒲入に蒲入(かまにゅう)の5漁協があり、大型・小型定置網を中心に釣り、延縄、水視などと京都府唯一の旋網の各漁業が営まれています。

○伊根漁協・地区の漁業の紹介
 伊根漁協は、渚100選のひとつ伊根の舟屋が湾一帯に建ち並ぶ伊根湾岸の真中に位置しており、KTR宮津駅より北北東へ車で45分ほどのところにあります。組合員は 320人で漁協の経営する大型定置網、大中型旋網を中心に釣り、延縄、刺網のほか、伊根湾を利用した魚類養殖などの漁業が営まれて、イワシ、サバ、アジ、ブリなどの大衆魚のほか、秋にはアオリイカも多く水揚げされ、平成11年は約 8,500トンの漁獲量がありました。
 また、当地区では、夏に豊漁と海上安全を祈願し「海の祇園祭」と言われる伊根祭が催されるなど、古からの漁業の町を象徴する行事が多く行われています。

ご存知「伊根の船屋」。NHK連続テレビ小説「ええにょぼ」で全国区になり、多くの観光客の皆さんが訪れられます。 全国唯一の漁協自営による”まき網””船団。府内一の水揚げ量を誇ります。
ご存知「伊根の寒ブリ」。冬至の頃最盛期を迎えます。 船屋の里公園には、伊根漁協の直売所があり、伊根特産の「さばのへしこ」をはじめ多くの特産品が販売されています。


○新井崎漁協・地区の漁業の紹介
 新井崎漁協は、徐福が祭られている新井崎神社と背後に棚田を有する新井に位置し、伊根漁協より北東へ 5分ほどのところにあります。組合員は42人で漁協の経営する大型定置網を中心に刺網、水視などの漁業が営まれ、イワシ、サバ、アジ、ブリなどの大衆魚のほか、サザエなどの貝類も水揚げされ、平成11年は約 960トンの漁獲量がありました。
 また、当地区では、漁協青年部などが中心となり、イベントを開催し、同催しを通じて地域住民はもとより都市住民との交流が深められております。

全国的にも数少なくなった、原風景「棚田」が残る新井地区。 定置網漁業において、自動式エアー揚網機・選別機などの導入を府内でもいち早く取り組み、作業の効率化・省力化に取り組んでいます。
毎年夏に開催されるイベントには、地元をはじめ近隣の市町から多くの人が訪れ、楽しい一日を過ごします。 秦の始皇帝の命により、不老不死の妙薬を求めて日本にやってきた、徐福が着岸したと伝えられている史跡。新井地区にはこの徐福にまつわる伝説が数多く伝えられている。


○朝妻漁協・地区の漁業の紹介
 朝妻漁協は、漁村の背後に温泉源を抱える泊地区に位置しており、KTR宮津駅より北北東へ車で55分ほどのところにあります。組合員は45人でたこつぼ、水視、刺網などの漁業が営まれ、タコ、サザエ、メバル類などが水揚げされ、平成11年は約20トンの漁獲量がありました。
 当地区には、海水浴場があり、夏場は海水浴を楽しむ人達が多く訪れるほか、周年を通じ温泉を訪れる人達で賑わいをみせております。

冠島を背に、採貝藻(水視)漁業が行われる。 船揚げ場のまわりには、紺碧の海が広がります。
岩場のリアス式海岸が続き、こうした地形を利用し、アワビ・サザエ等の漁業が行われております。 温泉の湧出により、温泉地として多くの観光客が訪れるようになり、別荘地としても開発が進んでいます。


○本庄浦漁協・地区の漁業の紹介
 本庄浦漁協は、浦島太郎が祭られている宇良神社のある本庄地区に位置し、KTR宮津駅より北北東へ車で65分ほどのところにあります。組合員は54人で大型定置網を中心に水視などのほか、漁村を流れる筒川下流で投網などの漁業も営まれ、イワシ、サバ、アジ、ブリなどの多獲性大衆魚のほか、筒川ではアユなども水揚げされ、平成11年は約 550トンの漁獲量がありました。
 また、当漁協では、漁業・漁村に親しんでもらうために漁業体験ツアーを平成11年に実施し、好評を得ております。

朝日が昇る頃、定置網の操業が始まります。 日本書紀万葉集にも記されて浦島太郎を祭神とする宇良神社
定置網で水揚げされた水産物は、地区住民が力を合わせ選別が行われます。 カワハギを使った「はぎの浜漬」は本庄浜地区の名産品として販売されています。(農林水産省食品流通局長賞受賞)


○蒲入漁協・地区の漁業の紹介
 蒲入漁協は、丹後半島の最北端に最も近く、リアス式のカマヤ海岸が立地する蒲入地区に位置し、KTR宮津駅より北北東へ車で75分ほどのところにあります。組合員は63人で漁協の経営する大型定置網と組合員個人経営による一本釣りを中心に刺網、たこつぼ、水視などの漁業が営まれ、イワシ、サバ、アジ、ブリなどの大衆魚のほか、メバル類、イカ類などが水揚げされ、平成11年は約 550トンの漁獲量がありました。
 また、当漁協では、加工事業にも力を入れており、加工品の産地直送を実施するとともに、都市住民との間で包丁教室を開催し漁村での水産物料理の方法などを広める取り組みを実施しております。

朝日を背に定置網で水揚げされた水産物の陸揚げが行われています。 リアス式海岸線を描くカマヤ海岸。春には桜並木の美しい景色が訪れる人々の目を引き付けます。
イカ釣り漁業が当地でも盛んに行われています。 地元婦人部の皆さんの智恵が結集された加工品。(国土庁長官賞受賞)