天皇陛下おことば
 第20回全国豊かな海づくり大会が、日本海に面した、ここ京都府網野町において、多くの関係者の参加を得て開催されることを、誠に喜ばしく思います。
 昭和56年、初めて全国豊かな海づくり大会が大分県で開かれて以来、大会は毎年県を異にして催され、今回で20回を数えるに至りました。その間に栽培漁業は著しく進歩普及し、様々な魚種が栽培漁業の対象となり、それぞれの地域にふさわしい漁業の発展に寄与するようになりました。また海の環境を良好に保つことについての関心が深まり、近年は山と海を結ぶ水系の保全を目指した漁業者による山への植樹も行われるようになりました。本大会が様々な面でこれらの水産業の推進並びに海の環境の改善に果たしてきた役割と意義に改めて思いを致し、大会に携わってきた多くの関係者の努力に深く敬意を表します。3年前の1月、網野町始め、日本海に面した広い範囲の海岸に、沈没したタンカーから流出した重油が流れ着き、地域の水産業などに大きな被害をもたらしました。この重油の除去には地元の人々を始め各地からボランティアが集まり、厳しい寒さの中で作業が行なわれました。このように多くの人々が海に関心を寄せ、海の環境を守ろうと努力していることを誠に心強く思います。
 京都府においては、ズワイガニの生態研究に基づいた資源管理や、本日皆で放流するマダイやヒラメなどの栽培漁業を積極的に推進し、成果をあげていると聞いております。このような科学的な管理や、栽培漁業の発展が水産資源の持続的活用に大きく貢献していくことを期待しております。
 この大会が、海に対する関心と理解を更に深め、人々が協力し合って豊かな海をつくっていくための契機となることを願い、大会に寄せる言葉といたします。