地域の言葉 |
「やうっちゃ、なんしとんがかのぉー? はよこんと、沖にいってしもがい。 おー、来た来た!」 (あいつは、なにをしているのかなぁ? 早く来ないと、沖に行ってしまうよ。 おー、来ました来きました!) 「かんにん、かんにん、ジャーマとイサカイしとったら、おそなってしもた。」 (ごめん、ごめん、妻とけんかしていたら、おそくなってしまいました。) 「なんいうとるがい、おまえんとのカーチャン、おくしいし、やさしかろがい」 (何を言っているんですか。あなたの奥さん、きれいで、やさしいでしょう。) 「だら、いつのこというとんがい。 いっぺんみてみ、オラよりオゾツケナイ体しとるわい。」 (ばか、いつのことを言っているのですか。 一度見てみなさい。私より甚だしく醜い体をしています。) 「オオドナことばっか、いうとらんと、ヘダイト、沖行くぞ!」 (大袈裟なことばかり、言ってないで、早く、沖に行こう!) 「ムッシャケトルがなおったら、ヘダルーなってきたわ。」 (腹が立っているのがおさまったら、お腹がすいてきました。) 「もう、ちょっこまっとれ。 漁がおわったら、カブシでいっぱい、やんまいけ。」 (もう、ちょっと待ってなさい。 漁が終わったら、カブシ(水夫が水揚げの中から賄い用に分配を受ける魚のこと)で一杯、やりましょう。) |
「そくさいけ?」 (お元気ですか?) 「あんたらっちゃぁこそ、そくさいやったぁ。」 (あなたたちこそ、元気でしたか。) 「コズクラ、持ってきたよ。」 (コズクラ(魚の名前)、持ってきたよ。) 「コズクラちゃ、なんけ?」 (コズクラとは、何ですか。) 「コズクラちゃ、ツバイソのことやながいねぜ。」 (コズクラは、ツバイソのことですよ。) 「コズクラちゃ、ツバイソのことけ、しらんだわ。」 (コズクラとは、ツバイソのことですか。しりませんでした。) 「めずらしいもん、もろて、気の毒な」 (珍しいものを、いただき、ありがとう。) 「なーん、つかえんちゃ」 (いいえ、かまいませんよ) 「さぁ、さぁ、そんなとこにたっとらんと、あがって、ねまられよ。」 (さぁ、さぁ、そんなところに立っていないで、家に上がって、座ってください。) 「あら! おねぇちゃん、おちんちんかいとらんと、あっちいってあそんでおられ。」 (あら! おねぇちゃん、正座していないで、あっちへ行って遊んでなさい。) 「ちかくにえんなかあるから、おいそであそんどられ。」 (近くに囲炉裏があるから、離れて遊んでなさい。) 「いま、ハンゴロシできたからもってくっちゃね。」 (いま、ハンゴロシできたから持ってきますね。) 「ハンゴロシちゃ、なんけ?」 (ハンゴロシとは、なんですか?) 「ハンゴロシちゃ、ぼたもちのことのがよ。」 (ハンゴロシとは、ぼたもちのことですよ。) 「ふーん、そんながけ。」 (ふーん、そうなんですか。) |