背景、目的、補助条件及び事業対象有害生物

●事業目的

近年、我が国周辺海域に大量に出現する大型クラゲ、トド、ナルトビエイ、ザラボヤ、キタミズクラゲ等の有害生物により、作業の遅延、漁獲物の鮮度低下、漁獲量の減少、漁具の破損等、我が国の漁業に甚大な被害が発生し、顕在化しています。

これらの有害生物による漁業被害は、漁業者の自助努力だけでは防ぐことのできない台風等の自然災害と同様のものであり、また、広域的に発生していることから、漁業被害の防止・軽減対策を実施するための基金造成に対して国が助成し、同基金を活用した機動的・総合的な対策を実施していくことにより、その被害の防止・軽減を図ることを目的とします。

●事業内容

●事業対象有害生物

事業対象有害生物とは、複数の都道府県にまたがって大規模に出現し、漁業被害を及ぼす生物です。平成23年度の事業対象有害生物として、大型クラゲ、ナルトビエイ、トド、ザラボヤ(標準和名:ヨーロッパザラボヤ)及びキタミズクラゲが選定されています。

※当該事業の大型クラゲはエチゼンクラゲ(標準和名)のみが対象種です。エチゼンクラゲの名称は、越前町を中心に福井県の漁獲物に対する風評被害が生じるため、本事業では大型クラゲと称しています。

●大型クラゲ以外の事業対象有害生物駆除を実施する際の補助条件

(a)特定の時期・場所等で駆除を行うことが広域的な漁業被害の防止・軽減に効果的であると認められること。

(b)駆除計画の策定には、関係する都道府県及び漁業関係者が全て参画し、連携して駆除を行う体制を構築すること。

(c)各都道府県の沿岸漁場近海域における駆除等の対策については、当該都道府県又は当該都道府県の漁業関係者が自主的に行っていること。