-----1県1漁協の先駆者は次期経営改善に取り組む(P4)-----
山形県・山形県漁協
山形ではカキの旬は夏だった
 
 夏に盛漁期を迎える岩ガキ漁は、10数年前のグルメブームに乗り全国的に需要が高まってきた。「小さい頃から素もぐりで獲って食べていた」という本間勉販売課長によると、@殻が10cm以下の貝は獲らないA毎週土曜日は休漁日B10月1日〜3月31日は禁漁期間など資源管理のための規則が設けられ、各地区ごとにも1人1日何箱までという規制があるという。5年物が中心で、専用箱(10`入り)で出荷されるが、30〜35個入りの1個300g前後の物が主体だそうだ。「磯見漁業の人は全部ムキで出荷していたので最初の頃は東京には出せず地元消費だけだったけど、山形に遊びに来た人が口コミで広めたようだ」と。潜って獲る漁もあり、底引き網の漁師も休漁となる7〜8月には潜り漁で岩ガキを獲り、4〜8月の漁期には山形県全体で140d・9,300万円を水揚げする。
 三陸や広島で養殖されているカキは“マガキ”で冬が旬、「カキは冬の商材」というイメージだが、ここ山形では「カキは夏が旬で夏の食べ物」だ。
安藤大栄さん
当然、“カキ鍋”などのメニューはなく、夏の岩ガキは生で食べるのが主流。グリコーゲンが多くビタミン・ミネラルに富む健康食品でもあり、漁協でも殻付きカキにむくための用具や軍手・レシピを添えて直売している。岩ガキの養殖について聞いてみたが、「6年前から由良漁港の沖合3〜4kmで県の補助事業としてテスト中だが出荷サイズには至っていない」。
生食で最も気になるのは貝毒などの中毒なので漁協でも万全の検査に気を配っている。漁協のカキ検査部門を担当している安藤大栄さんによると、「4月の第1週、第2週に7海域ごとに海水・SRSV(ウィルス)・大腸菌の検査をして全てをクリアしないと漁ができない。SRSVは春先の川の水で流れてくることが多く低水温で活発だが5月頃には治まる」そうだ。もちろん、検査で陽性反応が出ると出荷停止となるのだが。以外にも賞味期間は「冷蔵庫で1週間は大丈夫」と長い。
 
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