2002年4月
キンメダイの赤い絨毯の浜
静岡県下田市漁協


厳しい資源管理がブランドを作る
須崎・指導漁業士(突きん棒、一本釣り)長谷川 一夫

とれたてのキンメをすぐに送る。鮮度が命。
 キンメは、今でこそメジャーになったが、40年程前には、カツオやカジキが主流で、底物はクロムツしか釣らず、キンメを獲るのは外道のやることで皆逃げていたよ。この浜では私たち3人が始めたが、今では、市場性が出てきて高級魚扱いだよ。面白いことには、釣れる場所によって、味が違うんだな。私たちは、この鮮度がよくておいしいキンメを産直しているよ。
エビ網の手入れの様子
 大事なのは乱獲をしないことだな。市場が休みの時には出漁しない、細部にわたる申し合わせをしている。この申し合わせは、遊漁船にも適用するほか、近隣の神奈川、千葉の業界とも話し合って守るようにしている。



漁場のポイントにナンバーをつけ、操業できる日、操業禁止区域を決める。
キンメの漁場でサメの被害があるので一斉にサメ退治を行うが、その翌日は休漁とする。
縄は1人2本として道具につける針の数を決める。
操業は、漁船は16時まで、遊漁船は13時までとする。
投縄開始の時間を決める。
その他、道具が絡み合った場合の取り決め、夜釣りの禁止など。



若者は海のメッセンジャー
下田市青壮年部 部長
小沢 一成
須崎青年部 部長
長谷川 章夫

港近くの防波堤で釣りを楽しむ
子供たち
 マダイやヒラメなどの稚魚の放流をはじめ、シビ(マグロのこども)の標識放流は青年部の専売特許だよ。30年にもなるが、ここで標識を付けて放したシビがカリフォルニア沖で捕まったと聞いたときは驚いたなあ。その翌年には、日本海でも獲れたと聞いて、マグロが太平洋を回遊しているとということも分かったよ。
 漁場の清掃も年中行事になってきたよ。最近の漁具は化学繊維になったことから、海底に落ちた網や糸は腐らないで根にからみついているんだ。それをトロールを引いて引き上げるんだ。これも大仕事だ。また、夏場は、キンメを釣っても途中でサメに取られてしまう事が多くなったので、一斉にサメの駆除をするんだ。ヨシキリザメ、アオザメ、シラガシラなどのサメが多くなってきた。
5年程前からは、こども達の漁業の体験学習にも一役買っている。小学生から高校生までの子供たちを漁船に乗せて釣りを教えたり、網をひいたりしてもらうんだよ。始めは地元の学校が多かったが、最近は、名古屋や岐阜の海を見たことのない子供達が修学旅行で来るようになった。アジの開きも自分で作って持って帰る。何年かして、「あの時船に乗ったのが楽しかった」といって訪ねてくることもあり嬉しくなるね。
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