鹿児島県・甑島漁協
   
甑島風景
船影には魚が集まる
ミズイカ
塩田耕大郎組合長
川畑安光総務・業務部長

 甑島は、「鹿児島本土の西方約 40km の海上に本土に約 40 度の角度で並列する約 40km の列島(上甑島・中甑島・下甑島)」だ。その隔絶性から“日本のガラパゴス諸島”と表現されることもあり、古い歴史・文化・民俗の宝庫でもあるという。期待を胸に新串木野港からフェリーに乗船、 1 時間ちょっとで列島の北にある上甑島・里港に到着した。里港のある里町は南北 1,500 m、高さ 2.3 m、最大幅 1,000m (最小幅 250m )のトンボロ(陸繋砂洲)の上に形成された町で、平成 15 年 10 月に4漁協が合併した『甑島漁協』の本所はトンボロの東側(里港)沿いにある。海沿いに漁港まで歩く道すがら、丸石(玉石)を積み上げた塀や大きなアコウの木が育っているのを目にし早くも島の歴史を感じる。

海水の透明度にビックリ
 

 港には 20 隻くらいの漁船が停泊していた。その1隻「えびす丸」に近づくと、驚いたことにその船下に黒っぽい小魚が群れていて海水は底まで見えるほど透き通っている。小魚は「船影を求めて集まったイセジャコ」だそうだ。その先では少し大きな船が船槽からタイやブリ、ミズイカなどを数尾水揚げしていた。魚体が 40cm ほどある大きなミズイカはシューシューと海水を吐いている。間もなく小型トラックが来てそれらを受取っていたので聞いてみると、「民宿で出す魚を揚げてもらった」と言う。島に着いたとたん、いきなり海の見事なまでの美しさと活きの良い魚に圧倒されてしまった。 11 月下旬だと言うのに上着が邪魔になるくらいの暖かさで船影を求める魚の気持が分るような気がする。早速、窓口になっていただいた川畑安光総務・業務部長を訪ね、塩田耕大郎組合長とお二人に島の状況などを聞いた。

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