----- 東シナ海に浮かぶ秘境にはキビナゴ漁と海への熱い想いがあった (P4)-----
鹿児島県・甑島漁協
餌付けのブリは大物揃いだった
ブリの水揚げ
1本ずつ計量
冷凍エサを砕く

 漁協ではシマアジ・カンパチの養殖場を経営するとともに『ブリの餌付け』を行っている。 9 月から 1 月末まで、ブリの通る道にエサを撒いて魚を定着させ一本釣りする方法で全国的にも珍しい。今年は 10 月から 12,000 本水揚げしている。事務所でそんな話を聞いている最中、「ブリの買い付けがきたから見ますか?」と声がかかったので急いで岸壁に出た。

 「今日の出荷は 100 本。うち 63 本は漁協の加工場に運びフィレーに、残りはマルで出荷します。多いときは 300 〜 400 本の水揚げです」(川畑部長)ということだが、とにかくどのブリも魚体が大きいのに驚いた。1尾ずつ計量し、魚体の大きさに合わせた発泡箱に納め氷を入れていた。組合長はじめ誰もが「 1 番美味しそう」と言っていたブリは 10.5 `物で、この日の最重量ブリは 12 `だった。水揚げを終えた船はサバ・サンマの冷凍エサ(1ブロック 15 `)をクラッシャーにかけ、これを漁場まで運んで撒くわけだ。「 1 回で 20 個のエサを使う」そうだ。

 一方、水揚げ金額でも 4 割を占めるキビナゴ漁については、漁の悪化と魚の小型化を懸念し平成 5 年に『甑島地区キビナゴ資源管理協議会』を発足させている。産卵期の禁漁区の設定、網目規制、操業規制、稚魚期の保護区域の設定などを実施しているが、そのことで従来はライバル意識が強かった漁業者同士が「親しみを感じる同業者仲間」の間柄に変化し皆で助け合うようになったという良い話が聞けた。


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