タイトル写真提供 : 斉藤 高根氏

石廊崎沖のイカ
昼イカ漁が盛んな子浦漁港
  南伊豆町子浦はイカ類が通年漁獲されるイカ好きの天国です。5月中頃には、冬生まれの全長20センチ前後の小さなスルメイカ(麦の収穫時期に釣れるためムギイカの名で呼ばれます)が漁獲されます。6月になると成長したスルメイカの漁が始まり、12月まで続きます。12月から4月いっぱいまではヤリイカが釣れます。    

 子浦を含めた南伊豆のイカ釣船は、主に石廊崎沖の漁場でスルメイカを狙います。これが格別な食味で知られる『石廊崎沖のイカ』。今回の取材でお世話になった子浦のイカ漁師で、南伊豆漁協組合員の小久保安治さんはこう断言します。

「『石廊崎沖のイカ』は駿河湾内で生まれ、石廊崎沖へ移動しながら育つだよね。駿河湾で釣ったムギイカの胃袋には、赤い餌がいっぱい詰まっていて、エビを食べていることがわかる。餌がいいから、ここのイカはうまいはずだ」

『石廊崎沖のイカ』は築地市場でも人気があり、ほかのスルメイカに比べて2割ほど高値で取引されるとか。また、ここのスルメイカは昼間に釣られ、鮮魚として東京へ運ばれて早朝のセリにかけられます。美味に加えて鮮度抜群。『石廊崎沖のイカ』に人気があるのは当然といえます。


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取材:野村祐三