----- 三陸漁場を背景に養殖業が注目される志津川湾(P6)-----
 
宮城県・志津川漁協
カキ工場を見学
カキ作業場
次の日、再度カキ工場を訪れ一連の作業を見学した。志津川漁協本所には46業者、支所には94名のカキ業者がいるが、志津川の生産量(年間約642d)は宮城県で3番目とか。殻むき作業は常時50名ほどで行われ、むいたカキは溜めることなく数台の洗浄機にかけられる。洗浄機には5℃以下の殺菌海水が使われ、10段階の洗浄を行うことで身に付いていた小さな殻などが洗い落とされ、最終的にきれいになった身だけが出てくる。すかさず10`ずつにパックされ、氷入りの缶に納めて冷蔵庫へ。出荷時の温度は2℃の状態だそうだ。前述のトレーサシステム実証試験は、2003年1〜2月にかけて“みやぎ生協”に販売する1日当たり300`について実施されるが、「名称・区分・消費期限・組合名・処理場所在地・処理場名・出荷者名・保存基準・採取海域」などを明記し、消費者が安心して買えるようなシステム作りの先駆けとなる。

定置網の秋サケ
トラックからおろされるサケ
昨日に続き、今朝は定置網漁の秋ザケが搬入されるというので再び市場に向かった。すると、沖合い刺し網の時とは異なり、トラックが入って来たかと思うといきなり荷台が開き、荷捌き場の木枠の中にドッとサケが流れ落ちた。かなりダイナミックな光景だ。それを1尾ずつ選別しながら手カギで数尾ずつ箱に入れ、1箱ずつ目方を測って並べていく。オス・メスの区別はどうしているのかを聞いてみると、「アブラビレ(尾に近い背にある)の割合が大きいのがオスで、小さいのがメス。メスは顔もやさしそうでしょう?」と言われたがよくわからない。
 志津川湾の定置網は沖合い2kmほどの場所に10ヶ所設置されているが、「漁はまだ薄い」そうで、オス対メスの割合は6対4。これが逆転してメスの割合が多くなると漁も終盤を迎えるという。入札で買い手が決まるが、漁協も買参権を持っていて加工業者に出荷するために参加する。と同時に、“ブナ”と呼ばれる2〜3級品を買い取ることで価格の下支えもしている。定置網にもサケのほかにソウダガツオ・サバ・ヤリイカ・小アジなどが入っていて別に入札が行われる。遠藤参事がその場でヤリイカの皮をむいた物を食べさせてくれた。産地でしか味わえない喜びだ。

進水式に遭遇
「天王丸」の進水式
とてもラッキーなことに、新船の進水式があるという。市場に隣接して「志津川造船」があり、そこにたくさんの大漁旗をなびかせた船が船出を待っていた。『第10天王丸』4.3dは、袖浜で民宿・釣り船を経営し、カキやホタテの養殖も手がける遠藤良一さんの船だ。式の参加者に配られた祝いの黄色のタオルを首に巻き一連の儀式を興味深く見守った。その後、天王丸は荒島を3周し、カキ処理場前の岸壁に着けると餅まきや鏡割りをした。もちろん、喜んで参加させてもらった。
-6-
戻る
次へ
CONTENT






カキ工場を見学
定置網の秋サケ
進水式に遭遇
婦人部の活動